先日、不妊症の女性はお腹がスカスカな人が多いとお伝えしました。
今日は背面、腰からおしりにかけてのお話です。
先日の「ツボがスカスカ」よりは、はるかにイメージしやすいかと思います。
そうです。硬いのはもちろんよくないです。
硬いという事は筋肉に緊張があり、リラックスできていない状況が考えられます。
筋肉の中には毛細血管がたくさん入っています。
筋肉が硬いとそれだけ血管が圧縮されて血液の流れが悪くなります。

目次

腰には生命力と関係の深いツボがあります。

命門腎兪です東洋医学では五臓六腑の働きが悪くったり、バランスが崩れて力関係に偏りができたときなどに病気になると考えられています。命門と腎兪は五臓六腑の腎と深い関係を持つツボです。
腎は東洋医学では生命力の要です。そして
生殖の要でもあります。
腎の働きが弱っていると不妊症、疲れやすい、疲れが取れない、腰や足がだるくなるなどの症状が出ます。
この腎の働きが弱っている状態のことを「腎虚」と言います。

腎虚は先天的に腎の能力が弱い人もいますし、過労などでの腎虚も日常よく見ます。
この腎虚をそのままにしていても妊娠の妨げになるだけです。
腎兪が硬いだけでなくへこんでくぼみのようになっている場合もあります。
これは奥の方に硬いコリが見つかることが多いです。
単に表面から硬い場合より治りが悪いです。
お灸をしてから鍼をしたり、お灸と鍼を同時にするなど、治療法をその都度工夫しなければいけません。

骨盤回りのツボ

そして骨盤からおしりにかけての位置が硬いのもよくありません。
骨盤には、仙骨という骨があり仙骨の周りにはツボが密集しています。
ツボが密集しているという事は、それだけ体の状態を反映させやすいエリアといえます。
そして体の状態を反映しやすいという事はそのエリアの状態を変えれば体の状態も変化しやすいという事なのです。
少しおしりの方になってしまいますが胞肓(ほうこう)、秩辺(ちっぺん) 梨状(りじょう)はとても効果の高いツボです。
梨状というツボは梨状筋という筋肉上にあるツボです。
アメリカでは梨状筋付近の鍼で不妊症に効果あるというデータがあります。
アメリカで活躍しておられる先生に以前、「不妊症には必ず梨状筋を緩めろ」と教わりました。
少し下の方なので最初は「無理に露出することはないだろう」と思い、
遠慮していたのですが、「効果がある方が良い」と希望される方が増えてきたので
昨年からご説明の上希望者の方にのみ鍼をするようにしました。
(タオルを二重に使って必要なところだけを出すようにしています。臀裂は見えないようにして慎重に出します)
確かに梨状筋は股関節のバランスにも大きく影響しますし、腰臀部でも不調の原因になりやすい筋肉の一つです。
骨盤内の血流改善、自律神経調整、骨盤調整の観点から見てもここは要所です。
今までは梨状を使わず他のツボで対応しようとしていましたが、やはり直接梨状は鍼をすべきところのようです。
ここに鍼をするようになってから当院の不妊治療の治療期間は短縮されるようになりました。
40代の体外受精も立て続けに成功し、自然妊娠の方も増えたのでやはり必要な治療なのだと実感しています。

もちろん、東洋医学は常にオーダーメイド治療です。
不妊症に効果の出やすいツボを探すことも大切ですが、個人個人の特性に合わせた治療が必要です。
症状は同じでも、同じ人間はいません。

鍼灸南天は大阪府池田の鍼灸院です。
お近くの方は是非ご相談下さい。
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