例えばある症状を持った患者さんがいるとして、(例えば不眠)

自分でどこのツボを押さえたらいいですか?と聞かれたら、その人にあったツボをお教えするわけですが、「そこは二日酔いのツボって本に書いてありましたよ?」とか「そこは歯痛のツボだと思うんだけど。。。」

なんて不思議そうにしている人がよくいらっしゃいます。

まず、(例外はありますが)二日酔いのツボなんて無いのです。

不眠のツボもです。ありません。

二日酔いに効くツボならあります。不眠に効くツボも沢山あります。

薬と同じように考えるとおかしくなります。

二日酔いの特効薬があったとして、それが不眠に効いたり、咳止めの薬でのぼせが治ったりはあまり考えられませんね

けれども、ツボ(経穴)を選ぶときはその人の証にあわせて選びます。経絡が詰まっているなら該当する経絡にそって選んだり、弱っている臓腑があればその臓腑のツボを使います。

そうすることで治ります。

ただ、ひとつの症状でよく使うツボというものは必然的に出てきます。一つの原因が出す結果にはパターンがある程度限られてくるからです。

だから市販のツボの本は、そこを一般向けにわかりやすく特効薬的に記述してあるのです。

また例えをあげるなら、合谷なんかは大腸経をよく通します。大腸経は手、肘、肩、顔を通りますから、手にも肩にも歯にも効きます。

だから合谷は歯痛のツボだと思っている人も多いです。歯痛にも効きます。特に下の歯に効きます。下の歯を通る経絡だからです。

大腸の経絡のツボなので大腸につながっています。だから便秘にも効きます。よく気を通す、気のめぐりを良くするツボなので気の廻りが悪い人の不眠にも効きます。

東洋医学は病名ではなくその人がどうしてその病気になっているのか、その症状を出しているのかを独特の方向から見つめて治療します。

面白いでしょう?