脳の機能を活性化したいというご相談がありました。

昔、東洋医学には脳という考え方がないんだから能のない話だと誰かが言ったそうです。(笑)

が、東洋医学には髄海という考え方があります。これが脳です。

四海といって、経絡は川、その川が流れ込むのは海。十二経脈が集まり、営衞気血を注ぎ込むところです。

髄海はその一つ。

五臓の腎は髄を生みます。腎を養う事が脳を養うことです。

脳の機能を助けるには腎を補うこと以外にも体質に合わせたあらゆるやり方がありますが、今回は主に腎について書いていきます。

腎には蔵精の機能があります。生殖のための精気と精神活動を行う精をやどしています。精神活動と東洋医学

この腎は生命の源でもあります。根本なので、非常に重要です。鍼灸では腎を養う事は特に重要と考えます。

腎の経絡のツボや関連のあるツボに鍼灸を施します。太渓をよく使います。浅いところで確実な手応えを感じてから鍼をゆっくりと操作します。後に少しそのままにしておきます。

太渓は足の少陰腎経のツボで、腎の気を補うのによく使われます。操作するというのは鍼の手法と言って、ただ刺すだけではなく刺してから時と場合によっては繊細な動きで鍼を操作し効果を高めます。

後は、体質によっては腎の気がうまく流れるように通り道を確保します。督脈は下腹部から頭に向かって気を送る経絡です。この督脈に鍼灸をする事が当院で常用する方法です。

また、腎は耳に開き、つながっているとされますので、耳に優しい温灸をかけることもあります。

このようにして東洋医学的に考え、腎を補うことで脳の機能を正常化することができると考えています。

これは一例であり、その人によって治療内容は変わってきます。