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子宮内膜が薄い
クリニックで、「子宮内膜が薄い」といわれる方も当院にはいらっしゃいます。
排卵誘発剤の副作用であったり、ホルモンバランスの乱れであったりします。
東洋医学の考え方では、「血虚」「陰虚」傾向にある方が多いように見受けられます。
血虚とは
ストレス、過労などで気血水の血の部分が不足している状態です
顔色が黄色くなったり、青白くなったり、めまい、イライラ、動悸、不整脈、月経困難などが起こりやすく
脈は細く、舌は白くなりがちです
陰虚
過労、薬の飲みすぎ、生まれつきの虚弱体質などで
体の陰と陽の「陰」の部分の不足です
東洋医学では体を陰陽で分けるときがありますが、
陽は体のエネルギー陰は物体である肉体そのものに大きく分けられます
陰が少なくなると筋肉が落ちて痩せたり、全体的に乾燥してきたり、
陰と陽のバランスが崩れ、相対的に陽が大きくなったりすることで不調が現れます
髪や喉、口の乾燥、便秘、関節の異常などが起こりやすく、
また、五臓六腑の「腎」(腎臓とイコールではありません)の陰を消耗すれば腰が弱くなったり、
不妊症の原因になります。
鍼灸では血虚の場合、「血海」など血を補う「補血」の作用のある経穴(ツボ)や、状態に合わせてツボの組み合わせを考えます
血虚にも「心血虚」「肝血虚」等と呼ばれるものがあり、そういった東洋医学独特の視点から施術を調整します。
陰虚の場合、不妊症なら腎陰虚がもっとも問題になりますが
「関元」「腎兪」などの腎を補うツボ(補腎)や、「照海」等の腎と腎の陰を補うツボ(補陰)などをやはり個人個人に合わせて組み合わせていきます。
鍼灸と子宮内膜の熱さに関する研究ではこんなデータもあります
体外受精・顕微受精ならびに
凍結胚移植を行う患者で子宮内膜の状態が西洋医学的に治療を行っても一定の基準(注)に
満たない5症例
(32歳~40歳<平均年齢35歳>不妊歴は3.5年~10年<平均6.6年>)
に対し、鍼灸治療を施したところ全てにおいて子宮内膜の状態が改善し、
一定の基準に達し妊娠に至った。※一定の基準:(8mm以上3層構造)にまで至らないことが
不妊の1つの要因と考えられる。
基本穴として関元、中極、大赫、
三陰交、腎兪、大腸兪、次リョウ穴を使用。
愛知地方会 鈴木裕明 竹内病院トヨタ不妊センター 越智正憲
東洋医学、鍼灸に関する良いデータは少しづつ積み重なってきています。
関元、中極、大赫はいずれも下腹部にある経穴で、不妊治療の重要なツボです。
三陰交は女性の疾患でよく使われるツボで、血海などとあわせると補血、活血(血をきれいにする)の効果もあります。
腎兪、大腸兪は腰にあります。やはり腰が悪いと良くありません。腎兪は生殖の要である「腎」のツボです。
次リョウ穴は腰の仙骨部分、骨盤内の臓器の血流を良くしたり、卵巣のホルモンの働きを整える作用があります。
子宮内膜が薄い場合や子宮内膜症にも鍼灸は効果があります。
お悩みの方は一度ご相談下さい。