乳腺炎でも鍼灸は有効です。乳房を出さずとも治療できます。
「乳癰」(にゅうよう)とも言います。
初産や産後一ヶ月未満の方に多いものです。
乳房が赤く腫れ、乳汁がうまく分泌されず痛みます。
東洋医学で分類すると
胃熱
気鬱(肝欝気滞)
気虚兼気滞
と大まかに分類できます。
胃熱とは辛いものや味の濃いものを食べ過ぎたりした時に多く、胃の経絡に余計な熱を帯びた状態です。
胃の経絡は乳頭を通るので症状が出るというわけです。
写真は足の陽明胃経 胃の経絡の図です。
乳頭を通っていますね。
乳房や乳頭そのものに鍼をする必要はありません。
図を見ていただきますとわかるように、足のツボがつながっています。
肝欝気滞は厥陰肝経の気のめぐるが悪くなって痛む状態です。肩こりか、イライラ、抑うつ、寝つきが悪いなどの症状のどれかがありませんか?
あるなら肝経のツボに針をします。肝経も乳頭に関係しています。
手、足、または両胸の中央、胸骨の正中線上のダン中穴なども体質を見て使います。これも乳房を出す必要はありません。
気虚兼気滞の方は上の肝気鬱結に体質の虚弱や消耗を併せ持つようなイメージです。
お灸をしながら鍼を慎重に使っていくといいでしょう。
また、乳腺炎は背中からの鍼灸刺激も非常に効果的です。
鍼灸は母乳の出も良くなりますし薬を使わない自然な治療法です。
早く治して赤ちゃんを存分に可愛がってあげてください。